2014年 08月 29日
イネス
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「優雅なのかどうか、わからない」読了。
最近の私にしては珍しく一気読み。
古い家をリフォームしていくさまが、素晴らしかった。
そして終盤の崩壊。「沈むフランシス」もそうだったけど、こういう終わり方が好きなのかな、松家さんは。
猫がかわいいので猫好きにもおすすめ。
オットはユニクロの秋冬のイネスを発見し、夢中。
ツマにはこれがいいとかあれがいいとかパソコン前で。
私はそれほどノれず。
春夏は散財した。ユニクロなのに。でもそんなに着ていない・・・。一番重宝したのは赤のカーディガンかな。
今回はほとんど欲しいものがない。ジャケットが安くてかわいいけど、主婦は着ていくところがないし。コットンリネンストールくらいか?
しかし、自分は絶対に似合わないから買うつもりはないが、ボタンホールとかシャーロックっぽいツイードのチェスターコートがあって、少なくとも宴会芸には使えるクオリティ。
http://www.uniqlo.com/jp/store/feature/uq/ines_lineup/women/
アルソアの新しい真央が美しい。
いつも綺麗な写真でうれしいけど、アルソアさえ使ってなければ他の化粧品メーカーのCMに出られたのになー。頑固一徹真央のことだから一生アルソア使い続けそうだし・・・。
http://www.arsoa.co.jp/
こちらはまだ大事に読んでいる。寝床の脇にいつも置いてある。
最初の章である夕べの雲の「山茶花」を読んで、これまで全体を読んでいては気がついていなかった庄野先生の「上手さ」に感動しつつ、次に編者の岡崎さんによるあとがきを読んだ。
そこで和也さんがおととしのクリスマスに亡くなられていたことを知る。ということは徳島の展覧会は見ることはできなかったのですね。考えてみたらパンフレットには夏子さんと達也さんの文章しかなかった。それはこういうことだったのか。
岡崎さんは早くにお父様を亡くされていることもあり、庄野家、そして庄野親子に憧れのようなものを感じていらっしゃるようだ。私の読み違いでなければ。
そのような愛読者も多いのかな。
私は違うなーと改めて思ったのであった。
あのような濃密な親子関係は私には無理である。恐怖である。
それはやはり「おとぎ話」。
時間が静かにゆっくり流れて、美味しいものがたくさん出てきて、朝昼晩春夏秋冬「定型」行事がある。
子どもが寝る前に聞いて安心して眠れるみたいな、おとぎ話。
親子関係がないと「さみしい」ということはない、と最近気がつく。
私も若い頃は近所の子どものいない夫婦をみて「さみしいんだろうな。さみしいから犬を飼うんだろうな」とか思っていた大馬鹿者。
でも子どもがなくて、大人だけでも全然さみしくないよ。子のいる家庭に憧れもない。
だって最初からいないんだもの。淡々と大人の暮らしをすればいいだけ。
そこに大きな喜びはなくても。
受け入れて、大人の世界を静かに生きる。
さみしいから犬を飼うんじゃない。犬が好きだからだ。
あの何年か前まで感じていた「子どもがいないと将来さみしいのでは。後悔するのでは。」という小さな恐怖は、幻想。さみしさではなく頼れる人のない不自由さ、不便さはあるだろうが。
例えば子どもがいるのに、一人娘が遠くに住んであまり帰省もしないうちの親のほうがよっぽど「さみしい」のかもしれない。
by kumanekoy
| 2014-08-29 17:01
| 読書
|
Comments(8)
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at 2014-08-29 18:59
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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も
at 2014-08-30 06:38
x
kumanekoyさん。なかなかブログを更新されなかったので心配して
おりました。お久しぶりです。
子どもがいる、いないということ。
仰る通りです。
自分は子どもが生まれた夜1人泣きました。これで相方との
二人だけの楽しい時間が奪われてしまうのだ、と。
しかしその後すぐに娘の存在に翻弄され忙しくなり、じわじわと
愛情が生れ、今ではなくてはならない存在になりました。
本当に大事な娘です。でも家族が出来た、というより
家族になっていった、という感じ。だから今娘がいなくなったら
寂しくてさびしくてたまらないと思う。
だけど最初からいなければその寂しさは知り得なかったと思います。
kumanekoyさんのいう通り。
大好きな娘だからこそ、自分が実家に縛られたような苦しさを
味あわせたくないからとにかく早く独立してほしいと思っています。
寂しいけどそれが当たり前だ、と結構前から娘には伝えています。
長くなってすみません。
おりました。お久しぶりです。
子どもがいる、いないということ。
仰る通りです。
自分は子どもが生まれた夜1人泣きました。これで相方との
二人だけの楽しい時間が奪われてしまうのだ、と。
しかしその後すぐに娘の存在に翻弄され忙しくなり、じわじわと
愛情が生れ、今ではなくてはならない存在になりました。
本当に大事な娘です。でも家族が出来た、というより
家族になっていった、という感じ。だから今娘がいなくなったら
寂しくてさびしくてたまらないと思う。
だけど最初からいなければその寂しさは知り得なかったと思います。
kumanekoyさんのいう通り。
大好きな娘だからこそ、自分が実家に縛られたような苦しさを
味あわせたくないからとにかく早く独立してほしいと思っています。
寂しいけどそれが当たり前だ、と結構前から娘には伝えています。
長くなってすみません。
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at 2014-08-30 17:33
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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chico_book at 2014-08-31 18:29
ゆうさんこんにちは。ご無沙汰しております。終わりゆく夏を満喫中のちこぼんです。
庄野先生・松家さんのとはなんというコンボ!!素敵な本を数々ご紹介いただいてありがとうございます。しかも『猫』で、とどめ。じたじた地団太踏んでおります。うれしいじたじたです。
和也さんのこと、おどろきました。まさかそんなことが。こんちゃんやミサヲちゃんに思いを馳せてしまいます。もちろんフーちゃんにも。膝を正して『親子の時間』を待つことにします。
親子関係のこと、私も庄野先生の世界はどこかファンタジーと思っています。憧れたりはしないかな。2000年以降、庄野潤三はふたたび読者を獲得した理由として『理想の老後が描かれているから』という評価を読んだことがありますが、うーん、それもあるだろうけど、ちょっとちがうんだよね、と思ってしまいました。
「絵空事」ではなく、すべて本当のことではあるけれどもリアルな生活の要素の、上澄みだけをあつめたような。その純粋さ透明さに心打たれます。そのあたり、やはり江國さんと通じるような気がします。
庄野先生・松家さんのとはなんというコンボ!!素敵な本を数々ご紹介いただいてありがとうございます。しかも『猫』で、とどめ。じたじた地団太踏んでおります。うれしいじたじたです。
和也さんのこと、おどろきました。まさかそんなことが。こんちゃんやミサヲちゃんに思いを馳せてしまいます。もちろんフーちゃんにも。膝を正して『親子の時間』を待つことにします。
親子関係のこと、私も庄野先生の世界はどこかファンタジーと思っています。憧れたりはしないかな。2000年以降、庄野潤三はふたたび読者を獲得した理由として『理想の老後が描かれているから』という評価を読んだことがありますが、うーん、それもあるだろうけど、ちょっとちがうんだよね、と思ってしまいました。
「絵空事」ではなく、すべて本当のことではあるけれどもリアルな生活の要素の、上澄みだけをあつめたような。その純粋さ透明さに心打たれます。そのあたり、やはり江國さんと通じるような気がします。
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kumanekoy at 2014-09-01 20:11
鍵コメ08-29 18:59 さま、こんにちは!
タイトル、いいですよねー。沈むフランシスもよかったですけど。
内容もかなーりおすすめですよ。
あは、同じく私もよく親戚とか実家の近所のおばちゃんに「優雅ね」と言われます。子どもがいないと、やっぱりねー。私の場合働いてもいないし。でも、実際は待って待って待つ生活、全然優雅じゃないです・・・。
ラヒリ!ぱらぱらとめくり、なんだか今回のは違う気がして購入しなかったのです。私も図書館にします。違和感は、短文が多用されてる気がしたというだけなんですど。私の癖で、白い部分が多い本にあまり親近感が持てないのです。会話文が多い小説も苦手なのです。
でもきっとラヒリ様は裏切らないですよね!
タイトル、いいですよねー。沈むフランシスもよかったですけど。
内容もかなーりおすすめですよ。
あは、同じく私もよく親戚とか実家の近所のおばちゃんに「優雅ね」と言われます。子どもがいないと、やっぱりねー。私の場合働いてもいないし。でも、実際は待って待って待つ生活、全然優雅じゃないです・・・。
ラヒリ!ぱらぱらとめくり、なんだか今回のは違う気がして購入しなかったのです。私も図書館にします。違和感は、短文が多用されてる気がしたというだけなんですど。私の癖で、白い部分が多い本にあまり親近感が持てないのです。会話文が多い小説も苦手なのです。
でもきっとラヒリ様は裏切らないですよね!
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kumanekoy at 2014-09-01 20:27
も、様、こんばんは!
私の拙い文章で表現された少し偏屈?な気持ちも理解していただけて、うれしいです。そしてご主人、娘さんへの愛情、心が温まりました。
私が日記に書いたような気持ちになれたのは本当に最近のことで、やっぱり40ともなると脳もいろいろ経験して、今までにない思考ができるようになるのかもしれないです。加齢のいいところですね。
・・・なーんて大げさな話でもないんですけどね(笑)
「早く独立してほしいと思っています。」って素敵です!
実はまた最近いろいろ母親(と父親)について考える出来事があり、やはりまだ自分は呪縛から逃れられないのだと苦しい気持ちになりました。でも呪縛を呪縛と思わずにそれこそ淡々と受け入れることも必要なのか、それとも、これはもう更に1段距離を置くべき(気持ちを)なのか・・・。なんてやっぱり逃れることはできない一人娘の宿命です。あー。
私の拙い文章で表現された少し偏屈?な気持ちも理解していただけて、うれしいです。そしてご主人、娘さんへの愛情、心が温まりました。
私が日記に書いたような気持ちになれたのは本当に最近のことで、やっぱり40ともなると脳もいろいろ経験して、今までにない思考ができるようになるのかもしれないです。加齢のいいところですね。
・・・なーんて大げさな話でもないんですけどね(笑)
「早く独立してほしいと思っています。」って素敵です!
実はまた最近いろいろ母親(と父親)について考える出来事があり、やはりまだ自分は呪縛から逃れられないのだと苦しい気持ちになりました。でも呪縛を呪縛と思わずにそれこそ淡々と受け入れることも必要なのか、それとも、これはもう更に1段距離を置くべき(気持ちを)なのか・・・。なんてやっぱり逃れることはできない一人娘の宿命です。あー。
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kumanekoy at 2014-09-01 21:17
鍵コメ08-30 17:33 さま、こんばんは!
ご心配(?)おかけしました!元気に毎日飲んだくれておりますよ~。
和也さんのこと、本当にショックでした。
今回改めてパンフレットの龍也さんの文章を読み返してみると、和也さんへの追悼もこめられているように思いました。
それにしてもこんちゃんは大変な悲しみだったろうなあと思います。ほぼ三年の間に夫と息子を亡くされたのですから。
鍵コメさまの人生観?私もお子がもしいたら、そんな感じだったのかなーと思ったり。お孫の部分も共感!お孫、現実にできたら超かわいいものなのかもしれないけど、傍らからみると面倒そうにしか思えないです(苦笑)
でもやっぱり夫婦仲がよくないと鍵コメさんのような考えにはならないのですかねー。自分は今お子がいないからこその仲良しだと思うので、お子さんがいらしての鍵コメさまの夫婦関係はすごいなーといつも思います。そしてお子さんとの距離(気持ちの)もいい感じだな、素敵だなと。
我が家は子がいないにも関わらずお金のこともあんまり考えてないので、まずいです。甥姪他、周辺には絶対に迷惑をかけたくない、それだけはなんとかしないととは思っているのですが・・・。
ご心配(?)おかけしました!元気に毎日飲んだくれておりますよ~。
和也さんのこと、本当にショックでした。
今回改めてパンフレットの龍也さんの文章を読み返してみると、和也さんへの追悼もこめられているように思いました。
それにしてもこんちゃんは大変な悲しみだったろうなあと思います。ほぼ三年の間に夫と息子を亡くされたのですから。
鍵コメさまの人生観?私もお子がもしいたら、そんな感じだったのかなーと思ったり。お孫の部分も共感!お孫、現実にできたら超かわいいものなのかもしれないけど、傍らからみると面倒そうにしか思えないです(苦笑)
でもやっぱり夫婦仲がよくないと鍵コメさんのような考えにはならないのですかねー。自分は今お子がいないからこその仲良しだと思うので、お子さんがいらしての鍵コメさまの夫婦関係はすごいなーといつも思います。そしてお子さんとの距離(気持ちの)もいい感じだな、素敵だなと。
我が家は子がいないにも関わらずお金のこともあんまり考えてないので、まずいです。甥姪他、周辺には絶対に迷惑をかけたくない、それだけはなんとかしないととは思っているのですが・・・。
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kumanekoy at 2014-09-01 21:31
ちこぼんさまー、こんばんはー!
ねこの夏も人間の夏ももうそろそろ終わりですね。
ふふふ、とどめっ!優雅のなのか・・・、猫の描写もたまらないですよ。早く読んでくださいましね!あ、表紙の絵が苦手だったのでカバーとったら素敵だったです。
和也さんのこと本当に本当にショックでした。こんちゃん・・・3年の短い間に辛い思いを何度も・・・。その前も介護の生活でしたのに。
「純粋さ透明さ」!それです!
透明、なんですよね。仰る通り上澄み。
文章も平易なように思えるかもしれないけど、それは誰にも真似できないものだと思います。
江國さんに通じますね!二人の対談は宝物のようです。なんども読み返してしまう。
親子の時間、早くお手元に届くとよいですね。うっとり撫でまわしたくなる佇まいです。
ねこの夏も人間の夏ももうそろそろ終わりですね。
ふふふ、とどめっ!優雅のなのか・・・、猫の描写もたまらないですよ。早く読んでくださいましね!あ、表紙の絵が苦手だったのでカバーとったら素敵だったです。
和也さんのこと本当に本当にショックでした。こんちゃん・・・3年の短い間に辛い思いを何度も・・・。その前も介護の生活でしたのに。
「純粋さ透明さ」!それです!
透明、なんですよね。仰る通り上澄み。
文章も平易なように思えるかもしれないけど、それは誰にも真似できないものだと思います。
江國さんに通じますね!二人の対談は宝物のようです。なんども読み返してしまう。
親子の時間、早くお手元に届くとよいですね。うっとり撫でまわしたくなる佇まいです。