2014年 03月 22日
ドフィノア
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昨晩、オットとの家呑みが盛り上がり、久しぶりに禁断の赤ワイン2本。
ふたりで2本飲むと結構酔っぱらってしまいます。
気分的には足りないけど、身体には1本がちょうどなの。
わかっているのに、やっちまった・・・。
オットは朝方むくっと起き上がりハイチオールCをのんでいた。
おかずは平野先生レシピのグラタンドフィノアれんこん入り。
れんこんが!クリームに!すごく合う!
じゃがいもとの食感の違いを楽しめるのもうれしい。
何より切って、煮て、焼くだけの楽ちんがサイコー。
他、ヒレステーキ、サラダ、チーズ、茹でグリーンピースの発酵バターのせ。
全部うまし。
伊藤比呂美「父の生きる」読了。
いやー、考えされられた。
これは全国の一人っ子はみんな読むといいかも。いや一人っ子じゃなくても。
本質は老いの裏に隠れている。父でも、母でも。
私も死ぬときは一人。
後で読んで自分の助けになるかも、というところを抜書き。
私は、熊本に自分の家を残してあります。カリフォルニアに行く前に、家族で暮らしていたところです。ふだん誰も住まないので黴臭いし、なによりがらんとしているのですが、残してある。
カリフォルニアに引っ越していってから、毎年夏休みには、子どもを連れて熊本に帰ってきてました。最初の数年は、自分の家を人に貸していたので、親の家に転がりこみました。狭い家の中で、子ども三人と親二人と私、私は母とぶつかってののしり合いました。思春期のときみたいでした。あのときに骨身に沁みた、いったん出た家、離れた家族とは、もう住めないなと。
それで家を人に貸すのをやめ、黴臭くても、どんなにむだでも、そのまま残しておいて、熊本に帰るとそこに住みます。父の家から車で三分、歩いても五、六分の場所にある自分の家まで、仕事をするために、寝るために、かならず帰ります。
父の悪いところばかり見えてくる。
しかしそれは父の本質ではなく、本質は老いの裏に隠れているのだ。
父の本質は、私を可愛がってくれて、自分よりも大切に思ってくれて、私が頼りにもしてきたおとうさんだ。
ゆうべは父が「おれには看取ってくれるものがいない、誰もいない、ルイじゃだめだし」と言い出したから、つい「それは聞くのがとてもつらいから、言うのやめようよ」と言ったら、「ときどき愚痴こぼしたっていいじゃないか、あんたしか言う相手がいないんだし」とののしるような口調で言うのだった。たいへんうっとうしかったが、そういう気持ちになる父の気持ちもわからないわけじゃない。そしたらたまたま電話が切れちゃって、ほっとした。私が切ったわけじゃないし、父が切ったわけでもないと思う。五分くらいしてからかけ直すと、父は穏やかになっていた。父と私は同じような性格をしているので、仲直りは簡単にできる。
「聞いてよ、おとうさんがこんなこと言うんだよ」とサラ子に言いつけたら、「両方とも相手の気持ちはわかってるんだから、おじいちゃんはそう言いつづけるしかないし、おかあさんは、言わないでおこうよと言いつづけるしかない」と言われた。たぶんその通りだ。
こういう状態を回避するには、若いうちから死をシミュレーションして、死ぬときは一人だと考えておかねばならない、てなことを善導も一遍も言っている。高齢者が一人で死んで発見されるたびにメディアが「孤独死」だなんだと騒ぎ立てるのをやめないと、なかなか死ぬときは一人だという考えを持つようにはなれない。
「病と老いはどんどん拡大して、父を消していくと思う。でも、見送るとまた立ち上がってくるよ。こまで来た道を。あの父とあの私が、確かにいたことを」と一年前に父親を見送った友人がメールしてきた。ちょっとほっとした。
人がひとり死ねずにいる。それを見守ろうとしている。いつか死ぬ。それまで生きる。それをただ見守るだけである。でも重たい。人ひとり死ぬのを見守るには、生きている人ひとり分の力がいるようだ。
親をこうして送り果てて、つらつら考えるに、親の介護とは、親を送るということは、自分の成長の完了じゃないかと。
(注)ルイ・・・お父さんの飼っているわんこ
サラ子・・・比呂美さんの娘さん
by kumanekoy
| 2014-03-22 16:09
| 主婦のイロイロ
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Comments(6)
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myjotter
at 2014-03-24 18:13
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ゆうさん、こんにちは!安西水丸さんの訃報はショックですね・・・。
私は加齢のせいか大好きなワインで体調崩すことが多くなり、二人で一本が重くなりつつあることをようやく認め、最近は二人で半分、二日に分けて、しかも炭酸水をチェイサー代わりに、という念の入れようです。とほほ。
「父の生きる」・・・親の介護とは自分の成長の完了。そうなんですね。人生のすごろくに親を見送る事項があるなんて、私はつい最近まで理解していなかったです。しかも子育ては終わりがあるけど(お子が成人するまでとか社会人になるまでとか)、親の見送り(結婚していれば4人)は期間がわからないですからね。重たいです。伊藤比呂美さん、読んでみたいです。
ところで少し前に書かれていた京急のブルースカイトレインに「おお!」となりました。地元のお子達の間では「青い京急を見ると幸せになれる!」とまことしやかに伝えられているのですが、中もすんごいことになっていたとは☆
私は加齢のせいか大好きなワインで体調崩すことが多くなり、二人で一本が重くなりつつあることをようやく認め、最近は二人で半分、二日に分けて、しかも炭酸水をチェイサー代わりに、という念の入れようです。とほほ。
「父の生きる」・・・親の介護とは自分の成長の完了。そうなんですね。人生のすごろくに親を見送る事項があるなんて、私はつい最近まで理解していなかったです。しかも子育ては終わりがあるけど(お子が成人するまでとか社会人になるまでとか)、親の見送り(結婚していれば4人)は期間がわからないですからね。重たいです。伊藤比呂美さん、読んでみたいです。
ところで少し前に書かれていた京急のブルースカイトレインに「おお!」となりました。地元のお子達の間では「青い京急を見ると幸せになれる!」とまことしやかに伝えられているのですが、中もすんごいことになっていたとは☆
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at 2014-03-24 21:43
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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kumanekoy at 2014-03-25 13:05
myjotter さま、こんにちは!
安西さんとてもショックでした。どうしても春樹さんの気持ちを想像してしまうので余計に。
やはり加齢でアルコール弱くなりますよね?体力や基礎代謝の問題でしょうかねえ。私も最近日によってはすぐまわってしまうことがあり、自分でも驚いています。それを「認める」ことが大事ですよね・・・。
私は一人っ子のせいか、結構昔からやがてはこの2人の面倒をみなければらならないのだ、という現実の感覚がありました。結婚して4人になりました。今は両方の祖母も元気ですので、なんとなく6人を背負っている気持ちです。両親がもう立派な高齢者なのに90代の祖母の世話をしていて、まあお互い元気だからいいのですが、この先を考えると・・・。それと、私は子育てをしていない甘ちゃんなので、いきなり介護は厳しいものになるだろうな、と覚悟しています。弱いものの世話をした経験って重要だと思うのです。忍耐力とか。
「青い京急」は子どもたちの間でそんな素敵なものなのですね!わー!かわいいなー。真央トレインに結構マジで乗ってみたかったです。
安西さんとてもショックでした。どうしても春樹さんの気持ちを想像してしまうので余計に。
やはり加齢でアルコール弱くなりますよね?体力や基礎代謝の問題でしょうかねえ。私も最近日によってはすぐまわってしまうことがあり、自分でも驚いています。それを「認める」ことが大事ですよね・・・。
私は一人っ子のせいか、結構昔からやがてはこの2人の面倒をみなければらならないのだ、という現実の感覚がありました。結婚して4人になりました。今は両方の祖母も元気ですので、なんとなく6人を背負っている気持ちです。両親がもう立派な高齢者なのに90代の祖母の世話をしていて、まあお互い元気だからいいのですが、この先を考えると・・・。それと、私は子育てをしていない甘ちゃんなので、いきなり介護は厳しいものになるだろうな、と覚悟しています。弱いものの世話をした経験って重要だと思うのです。忍耐力とか。
「青い京急」は子どもたちの間でそんな素敵なものなのですね!わー!かわいいなー。真央トレインに結構マジで乗ってみたかったです。
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kumanekoy at 2014-03-25 13:16
鍵コメ03-24 21:43 さま、こんにちは~!
私が買ったMUJIのカーテンはこれです。
http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4934761372204?searchno=42
熱をとおしにくく遮光性があります。ブラウンがホテルっぽくて悪くないです。でも、日が当たりすぎる部屋じゃないと、暗くなります。断熱効果もあり、冬は暖かいです。
家具は使ったことがあるのは本棚だけなので、語れませんが、ベッドも悪くないと思います。やっぱりすごくシンプルだし、ちゃんとしたところが作っていると思いますよー。
引っ越し大変ですよね。私も何度も経験したのでよくわかります。季節の変わり目でもありますし、あまり無理されませんように。
私が買ったMUJIのカーテンはこれです。
http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4934761372204?searchno=42
熱をとおしにくく遮光性があります。ブラウンがホテルっぽくて悪くないです。でも、日が当たりすぎる部屋じゃないと、暗くなります。断熱効果もあり、冬は暖かいです。
家具は使ったことがあるのは本棚だけなので、語れませんが、ベッドも悪くないと思います。やっぱりすごくシンプルだし、ちゃんとしたところが作っていると思いますよー。
引っ越し大変ですよね。私も何度も経験したのでよくわかります。季節の変わり目でもありますし、あまり無理されませんように。
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みずか
at 2014-03-27 13:28
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こんにちわ。
私も中年ひとりっこです。
私の父は残念ながら3年前の春に亡くなりましたが、
今でも急に悲しみが襲ってきて、ああすればよかった、
こうすればよかったと後悔だらけです。
「父の生きる」図書館に予約しました。
これからも、本を借りるときの参考にさせていただきますね。
私も中年ひとりっこです。
私の父は残念ながら3年前の春に亡くなりましたが、
今でも急に悲しみが襲ってきて、ああすればよかった、
こうすればよかったと後悔だらけです。
「父の生きる」図書館に予約しました。
これからも、本を借りるときの参考にさせていただきますね。
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kumanekoy at 2014-03-28 20:01
みずかさま、こんばんは。
みずかさんも一人っ子でいらっしゃるのですね。
お父様、残念でしたね。さみしくなりましたね。
でも、今現在そんな気持ちになられるということは。とてもよい親子関係だったのでしょうね。この本の伊藤さんも本当にお父さんに愛され、仲良しだったみたいです。
残念ながら私の場合はそうでもないので、いろいろ考えてしまいます。もちろん家族としてそれなりの愛情はあるし、ずっと元気でいてほしいのですけどね。
図書館、人気で、予約ですよね。私も結構借りるのに時間かかりました。
みずかさんも一人っ子でいらっしゃるのですね。
お父様、残念でしたね。さみしくなりましたね。
でも、今現在そんな気持ちになられるということは。とてもよい親子関係だったのでしょうね。この本の伊藤さんも本当にお父さんに愛され、仲良しだったみたいです。
残念ながら私の場合はそうでもないので、いろいろ考えてしまいます。もちろん家族としてそれなりの愛情はあるし、ずっと元気でいてほしいのですけどね。
図書館、人気で、予約ですよね。私も結構借りるのに時間かかりました。